雨のち晴れ

子育て・考えたことやたわいのない日常を綴った日記です

たんじょうび

三男だけが予定がなく、暇を持て余してどうしよもないので、買い物がてら、ショッピングモールに連れて行った。

そこで面白い商品が色々置いてある雑貨屋さんにふらっと立ち寄り、1000円ほどで買えるミラーボールを見つけると、長男の誕生日に買いたい。お金が足りないから半分出してくれと言われた。

ああ。誕生日だ…

 

今月から子供達の誕生日が集中する。

子供にとっては、誕生日にクリスマス、さらにお正月と楽しいイベントが続く。

 

親は散財してトホホ月間という感じだけど、まあ、楽しい思い出になればよし。我慢させる事が多いので、せめてこういう時くらいはと思う。なんとか頑張りたい。

 

さて、今年はどうしようかと思う。

やはり、いつものあれしかないかな…

プレゼントはどうしようか。

 

お友達のうちは、家族で豪華ステーキでお祝いだとか、炭火焼肉多ペ放題に行くのだとか、ディズニーランドにお出かけだとか、何かと景気の良いお誕生日の話を聞く。そういうのもいいなあと思う。子供も絶対に喜ぶだろう。

 

でも、うちはワンパターンなのだけど、お誕生日は毎年、家で地味なお楽しみ会みたいなものをやることになる。

 

このお楽しみ会は、長男が大好きだった絵本『たんじょうび』に由来する。絵本のようなお誕生日パーテイーに、まあ憧れて、憧れて、小さい頃、おんなじように真似してやったのが始まりだ。

初めて長男が一人でページをめくって読んだ絵本が、この『たんじょうび』だった。

 

お誕生日会の日は、主役の好きなメニューを用意する。(~ってこれも毎年、長男は手巻き寿司がいいと言い、次男、三男の時はピザがいいと言うに決まっているのだけど。)

 

ケーキはデコレーションを子供たちがやりたがる。見た目はどうあれ、ご愛嬌。任すことにしている。

 

ハッピーバースデーの歌。ロウソク消し。食事。

 

小さい頃はさらに、なぞなぞを出したり、手品をしたり、三男だったらピアノを弾いたりと、出し物タイムもあったのだが、最近はあまりやりたがらないのでやっていない。

 

プレゼントは各自、手持ちのオモチャやカード、小遣いで買えそうなもの買ってきて、折り紙かなんかでラッピングをして渡す。

 

それからプレゼントを開けて、しばしプレゼントを満喫し、最後にケーキを食べるという流れで終わる。

 

このようなお誕生日会は、"地味だけど心温まるお誕生日会” といえば聞こえはいいのだけど、要は"金のかからない節約お誕生日会”なわけで、自慢できるネタでもないし、貧乏くさいかなと思い、あまり人に言っていない。

 

ただ、今、書きながら改めて思ったのが、誕生日というのは、祝ってもらって嬉しいのはもちろんなのだけど、むしろ祝ってあげる側の喜びの方が大きいのではないか。ということ。

 

「はい、どうぞ。」

とプレゼントを渡す。相手が、

「どうもありがと。」

と受け取り、包みをあけるまでの時間、

"どうかな、どうかな、喜ぶかな。"

”きっとビックリするよ~。"

とでも言いたげな、期待の表情でじっと相手を見ている。どういう訳か、子供のそういう表情が不思議と印象に残っている。

 

いつも、ウンザリするほどケンカばかりの兄弟も、この時ばかりは相手が喜ぶ姿を見るためにプレゼントを考えたり、ケーキを作ったり、お粗末ながらも部屋に飾りつけをしたりと張り切り出す。

 

もしかしたら、子供というのは生まれながらにして誰かを喜ばせることに幸せを見出す術を知っているのかもしれない。

 

ともすると大人は、人に期待してばかりして、「してくれない、してくれない、」と不平不満ばかりが募り、悲劇の主人公にでもなったような思考に陥りがちだ。

 

大きくなって、もし、そんなふうに思って自分が不幸だと思ってしまった時、この貧乏くさいお誕生日会を思い出してほしいと思った。人の喜ぶ顔を想像して、何かをしてあげる事がこんなにドキドキワクワクするもので、幸せな気持ちになるのだという事を。

 

結局、半分どころか8割ほど私が負担してミラーボールを買った。

仕方がない、まあ、いいか。

 

 

 

『 たんじょうび』

森の近くの野原にたくさんの動物達と一緒に住んでいるおばあさんの76歳のお祝いに動物達が協力してサプライズパーティを開くお話です。準備は前途多難に見えますが、次から次へと、サプライズが待っています。

なんといっても絵が素敵で、お話の世界観に引き込まれます。

そして。最後の最後のページがまた粋です。次のお話を予感させる終わりかたになっています。

 

たんじょうび (世界傑作絵本シリーズ)

たんじょうび (世界傑作絵本シリーズ)

 

 

『たんじょうび』とあわせて読みたい、

『こねこのピッチ』

 私が持っているのは、こちらの小型本ではなく、大型版『こねこのピッチ』なのですが、内容は同じようです。でも、やはり子供に読ませるならば、大型版のほうが良いように思います。Amazonにはないようで、紹介できずにもうしわけありません。

このピッチ。ちょっと個性的で他の兄弟とは違う行動をとります。そして、大冒険の末に怖い思いをしたり、病気になってしまったりと、大変なことになってしまうのですが、みんなからのたくさんの愛情を受けてひと回り大きく成長します。

かわいいピッチ。実は『たんじょうび』の終わりに登場しているのでした。

 

こねこのぴっち (岩波の子どもの本)

こねこのぴっち (岩波の子どもの本)