カラスの行動って面白いと思う。
半年位前かもっと前か、朝カーテンを開けた時、ベランダにカラスがいてギョッとした事がある。ゴミ袋を狙っていたのだろう。カラスは私と何秒か睨み合うと、トントンと方向転換してから、前の電線に飛び移り、「チクショー!」と吐き捨てるかのように鳴いた。あの目は確かにケンカを売っていた。
ポスティングのバイトをしている時、つがいのカラスにストーカーのように後をつけられた事もある。
電線から電線へ。電線から屋根へ。屋根から塀へ。睨みつけてやったら、また電線へ。
何なのだろう?もしかしたら、カラス達はもう私の顔と住んでいる場所も知っているのかもしれない。でも私はカラスを睨みつけた事はあっても、いじめたことは無い。恨まれる筋合いはないんだけど…
そうだ!この夏、近所の路上を運転中、いきなりカラスが車の前に急降下して、ヒヤッとした事もあった。アブラゼミを捕まえたのだ。
「ギー、ギー!ギャ、ギャ、ギーギギー!」
アブラゼミの尋常ではない鳴き声が静かな住宅街に響き渡った。
あ!もしかしたら…あれも私に対する挑発だったのだろうか。
子供達がまだ小さかった頃、『カラスのパンやさん』という絵本がお気に入りで、よく読んであげた。
夕方になっても帰りたくないと駄々を捏ねると、南に向かって飛んで行くカラスを指指して、
「ほうら、カラスもおうちに帰るんだって。」
とよく言ったものだ。
そういえば、ここから1時間程離れた実家にいる時も、カラスは南に向かって帰っていった。そして以前住んでいたアパートでも南、今住んでいる所でも南に向かって飛んでゆく。偶然の一致なのだろうか。
では、カラスは何処をねぐらにしているのか。
実は巨人が遅番の時、終電近い11時頃に私は駅まで迎えに行かされるのだが、駅近くの交差点の電線にカラスがビッシリとまっている。なんとも異様な光景だ。
カラスは夜は山に帰るものだと思っていた。この辺りは田舎で、山はなくても林や森がたくさんある。なんだってこんな電線を寝ぐらにしているのだろう。
少し検索してみたら、青森や山形、新潟や福井で似たような状況があるようだ。
カラスは頭がよいというエピソードもたくさんあった。人の顔を憶えるのはよく知られているが、例えば、死んだカラスの周りに仲間のカラスが集まり、葬式をするとか、餌をあげたカラスが恩返しをするとか。
フランスではカラスの料理があるというのもびっくりだ。中でもカラスの脳みそは絶品だとか。
マヌケなカラスもいる。通学路途中のカーブミラーに写った自分に向かって、つついたり、羽根を広げて威嚇しているカラス。小学生の間では有名なカラスだ。
気にする事もないと思うのたが、やはりカラスは見過ごせない。外出の際、ついつい電線を確認してしまう。
カラスは、頭がよいのかマヌケなのか。
何の目的があって私を挑発してくるのか。
気になる。とても気になる。