雨のち晴れ

子育て・考えたことやたわいのない日常を綴った日記です

やっぱり、彼岸花が好き

 今年は庭に植えた彼岸花がようやく太く元気に咲いた。球根を植えてからやっと4年目だ。それまでは細くたよりなげな茎だったからとてもうれしい。

 

私は彼岸花が好きで、田んぼの畔や道の端っこに咲く彼岸花を見つけると立ち止まってつい見入ってしまう。葉がないのに茎だけで凛として咲く。面白い花だなあと思う。

 

それでとうとう庭の隅に植えてしまった訳なのだけど、友達が言うにはどうやら彼岸花は庭なんかに植えるものではないらしい。

 

彼岸花を庭に植えるのは不吉だって母親から聞いたよ。」

と言われてしまった。え~マジで!? 何故植えたらダメなのかと聞いたら、

「知らない。とにかく昔からそう言われてんだよ。」

と言う。ふーん。そうなんだ。と思いながら調べてみるとなるほどと思った。

 

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彼岸花の葉や球根には毒がある。田畑の端やお墓でよ見るのはモグラやねずみの被害から作物や土葬した遺体を守る意味合いがあるのだそう。

 

また、球根はデンプンが豊富に含まれていて、食糧難の時は芋と並ぶ貴重なエネルギー源だったそう。毒抜きして食べていたみたい。

 

有毒植物は年貢の対象外だったので、飢饉に備えて植えておくこともあったよう。

 

そして勝手な解釈だけど、間違って子供が食べたり、観賞用にと安易に切ったり、引っこ抜いたりさせないように、不吉だとか、持って帰ったら火事になるとかいろんなことを言って近寄らせないようにしていたんだはないかって思う。

 

思えば、独身の頃、毎年のようにこの時期になると高知の友人宅に泊まりに行っていた。働いている頃は8月は猛烈に忙しく、夏休みをとるなんてA級戦犯だったのだ。

こんな世間とずれた時期に夏休みをとろうと思ってもなかなか友達と休みがあわないし、一人で旅行というのも気が引けた。

友人も役場に出勤してしまうし、ただ、がらんとした広い農家の留守番をしに行ったようなものなのだけど、それはそれで楽しかった。

散歩に出た際、山肌に咲く彼岸花の群生に目を奪われた。

「こんなものそこいら辺でさいちょるき。」

見慣れてしまっているのか、彼女は事もなげに言うのだけど、私にはあのカラッと晴れた南国土佐の秋の空と美しい四万十川と、そして彼岸花の風景がいつまでも心に残っているのだ。