4月、5月と入学やら税金やらで飛ぶようにお金が出ていく。そして、夫はこんな小遣いで、やってられるかと吠えまくる。勘弁してくだせえ、お代官様、とうとう最後の種籾にまで手を出してもうたという感じだ。
短時間パートや短期バイトではとても足りないので、いよいよ私もフルタイムで働くようになった。14年振りに娑婆に出た感触は、楽しいというのが半分、自分の体力のなさと物覚えの悪さに凹むことが半分といったところ。
職場は小規模デイサービスだ。比較的介護度が低い方が多く、アットホームな雰囲気で地元では結構人気がある。
この仕事は、どうやら私には向いているようだ。立派な生き方だなあと尊敬出来る方とお話出来て嬉しい。昔の様子を聞くのも好きだ。それから、毎日起こる珍事件に笑ってしまうことが多数。
また、家族からの連絡に毎朝目を通すことになっているのどけど、例えば、昨日はタクシーで病院に行ったあと、途中で寄り道をし、その後なんと2時間も歩いて帰ってきたというので、びっくりしてきつく言ってしまった。今日は、ばあちゃん疲れていると思うのでよろしくお願いします。なんていう連絡を読んだら、お嫁さんのその愛情に涙がちょちょぎれそうになってしまったり。
それでも、出来るだけ自分で歩こうとするところ、自分でやろうとするところが年をとったら大事なことなのかもしれない。テレビでぎんさんの娘がそう言っていたのを思い出す。
まあ、こんなのんきな事を言っていられるのは新人のうちだけで、責任のある立場からみたらなんてお気楽なんだと怒られてしまうだろうけれど。
誰もがボケたくないと思うだろうが、ボケちゃったらボケちゃったで面白いこともある。デイサービスで働くようになって以来、安心して歳をとればいいのだと思うようになった。
ボケでもまだらボケでもいい。手が使えなくても歩けなくてもいい。出来ることは自分でやって、出来ないことは助けを借りればいい。年寄りこそ笑って、好きな暮らし方をしてほしい。
日頃の生活はまわしていけるか?体力的に大丈夫か?など、色々と不安もあったのだけど、今のところはなんとか頑張っている。といっても体力的にはかなり疲れる。でもって、悲しいかな回復が遅い。年齢的に仕方ないわな…あと夫に毎朝嫌味を言われながら出ていくのが辛い。
帰って来てから「疲れたー」とソファーにゴロンしてしまうと二度と立てない予感がするので、帰って来た勢いで一気に家事片付けている。めんどくさいから後回しばかりだった家事だが、集中してやろうとするだけで早く終わる。今まで、わかっちゃいるけど出来なかった家事の効率改善が実現出来たことは本格的に働き始めて良かったことの一つだ。家事の効率アップが、単なる気合いだったというところが我ながらお恥ずかしい。
とりあえず私は今、そんな生活をしている。
4165!ヨイローゴ!