次男からお手紙を貰ったのは、卒業式でのことだった。自ら進んで書いたものならばびっくりだけど、これは小学校の卒業を機に、先生がお家の人への感謝の手紙をと書かせたものだ。
それでも、次男から私へ手紙など書く機会などはもうこの先ないだろうと思うと感慨深い。
それらしいお花模様の便箋と封筒。
これは私の数少ない宝物のひとつになった。
ママへ
毎日ご飯とか家事をしてくれてありがとう。
おかげで、ここまで大きくなりました。
友達ができ、はっきり気持ちが伝えられるようになったよ。このようなことがあったのは全部ママのおかげだ。
これから迷惑かけるけど、よろしく~
中学生、その先もがんばるから応援してね。
それから最後にひとつ。
スマホ買ってください。
本当に。よろしく。
これから中学生になろうという者としてはなんともつたない文章で、頭の不出来が知れてしまうところだが、「友達に自分の気持ちが伝えられるようになる」というのは、あの頃の次男にとっての重要なテーマだった。
R君という子の影響をかなり受けてくっついて歩いていたが、ある時喧嘩をし、一時期距離を置いたように見えた。
その後、暫くたったある日、R君がつかつかと歩み寄って来て、「今までごめん。」と謝ってくれたという話は聞いたが、詳しいことは分からない。
ただ一つ言えることは、ああ、やっとあの子は自分の中でひと山越えたのだなあということ。私にはそれが何より嬉しい。
さてと。新入生気分はそろそろ終わりにしないと。あっという間に5月も後半だ。
早めに中間テストの準備をしろと言っているのに、まだぼーっとしている。
初めての定期テストなんだから、私が一緒に勉強の仕方を教えてあげると言っても聞きたがらない。
勉強だけは何とか落ちこぼれずに続けてほしい。対策を急がねばと思う。